○八郎潟町議会基本条例

平成二十四年三月二十一日

条例第七号

目次

前文

第一章 目的(第一条)

第二章 議会・議員の活動原則(第二条・第三条)

第三章 町民と議会の関係(第四条)

第四章 町長等と議会の関係(第五条―第八条)

第五章 議会・議会事務局の体制整備(第九条―第十二条)

第六章 議員の身分・待遇、政治倫理(第十三条―第十五条)

第七章 最高規範性及び見直し手続き(第十六条―第十八条)

附則

自治体の自主的な決定と責任の範囲を拡大させる地方分権が進められている今日、議会は、自治体政策の論点、争点を広く明らかにするため、その持てる権能を十分に駆使し、自治体における政策立案・行政監視・論点開示の役割を担つていかなければならない。その機能は、議員間の自由闊達な討議を通して、果たされる。

八郎潟町議会は、八郎潟町民から直接選挙で選ばれた議員により構成される合議制の議事機関である。独任制の機関である八郎潟町長とともに、二元代表の一翼を担う機関として、それぞれの異なる特性を活かし、町民の意思を町政に的確に反映させるため、八郎潟町としての最良の意思決定を導く共通の使命が課せられている。

このため、八郎潟町議会は、議会及び議員の活動原則等の基本的事項を定め、町民の負託に応え、活力ある八郎潟町の実現を図るとともに、信頼される議会を築くことを決意し、この条例を制定する。

第一章 目的

(目的)

第一条 この条例は、分権と自治の時代にふさわしい、町民に身近な議会及び議員の活動の活性化と充実のために必要な、議会運営の基本事項を定めることによつて、町政の情報公開と町民参加を基本にした、八郎潟町の持続的で豊かなまちづくりの実現に寄与することを目的とする。

第二章 議会・議員の活動原則

(議会の活動原則)

第二条 議会は、町民主権を基礎とする町民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性、信頼性を重んじた町民に開かれた議会及び町民参加を不断に推進する議会を目指して活動する。

2 議会は、議員、町長、町民等の交流と自由な討論の場であるとの認識に立ち、その実現のために、この条例に規定するもののほか、この条例をふまえて別に定める八郎潟町議会会議規則(昭和三十九年議会規則第一号)の内容を継続的に見直すものとする。

(議員の活動原則)

第三条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進を重んじなければならない。

2 議員は、町政の課題全般について、課題別及び地域別等の町民の意見を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研鑚によつて、町民の負託に応える活動をするものとする。

3 議員は、町民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。

第三章 町民と議会の関係

(町民参加及び町民との連携)

第四条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、本会議のほか、常任委員会、全員協議会、特別委員会を原則公開するとともに、議会主催の報告会を開催するなど、町民が議会の活動に参加できるような措置を講じるものとする。

3 議会は、常任委員会、全員協議会、特別委員会等の運営に当たり、講師招聘等を十分に活用して、政策的識見等を議会の討議に反映させることができるものとする。

4 議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置づけるとともに、その審議においては、これら提案者の意見を聴く機会をできるだけ設けることができるものとする。

5 議会は、議案に対する各議員の態度を議会広報で公表する等、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする。

第四章 町長等と議会の関係

(町長等と議会及び議員の関係)

第五条 議会の本会議における議員と町長及び執行機関の職員(以下「町長等」という。)の質問又は質疑並びに答弁は、一括質問一括答弁方式若しくは、一問一答の方式で行う。

2 議長から本会議及び特別委員会への出席を要請された町長等は、一問一答の方式による場合は、議員の質問に対して議長又は委員長の許可を得て反問することができる。

(町長による政策等の形成過程の説明)

第六条 町長は、議会に計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)を提案するときは、審議の充実を期するため、次に掲げる政策等の決定過程を説明するよう努めなければならない。

 政策等の発生源

 検討した他の政策案等の内容

 他の自治体の類似する政策との比較検討

 総合計画における根拠又は位置づけ

 関係ある法令及び条例等

 政策等の実施にかかわる財源措置

 将来にわたる政策等のコスト計算

2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たつては、審議の充実を期するため、立案、執行における論点、争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(予算・決算における政策説明資料の作成)

第七条 町長は、予算案及び決算を議会に提出し、議会の審議に付すに当たつては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の政策説明資料を作成するよう努めるものとする。

(法律第九十六条第二項の議決事項)

第八条 法律第九十六条第二項の議会の議決事項については、次のとおり定めるものとする。

 八郎潟町基本構想及び基本計画

 八郎潟町地域防災計画

 八郎潟町環境基本計画

第五章 議会・議会事務局の体制整備

(委員会等の適切な運営)

第九条 議会は、社会、経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、常任委員会、特別委員会等の適切な運営に努めなければならない。

(議会事務局の体制整備)

第十条 議会は、議会及び議員の政策形成・立案機能を高めるため、議会事務局の調査・法務機能を積極的に強化するものとする。

(議員研修の充実)

第十一条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実に努めるものとする。

(議会広報の充実)

第十二条 議会は、町政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に町民に対して周知するよう努めるものとする。

2 議会は、情報技術の発達をふまえた多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう広報活動に努めるものとする。

第六章 議員の身分・待遇、政治倫理

(議員定数)

第十三条 議員定数は、別に条例で定める。

2 議員定数の改正に当たつては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するものとする。

3 議員定数の条例改正案は、法律第七十四条第一項の規定による町民の直接請求があつた場合を除き、改正理由の説明を付して議員が提案するものとする。

(議員報酬)

第十四条 議員報酬は、別に条例で定める。

2 議員報酬の改正に当たつては、行財政改革の視点だけではなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するものとする。

3 議員報酬の条例改正案は、法律第七十四条第一項の規定による町民の直接請求があつた場合を除き、改正理由の説明を付して議員が提案するものとする。

(議員の政治倫理)

第十五条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによつて、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

第七章 最高規範性及び見直し手続

(最高規範性)

第十六条 この条例は、議会運営における最高規範であつて、議会は、この条例に反する議会の条例、規則、規程等を制定してはならない。

2 議会は、議会に関する日本国憲法、法律及び他の法令等の条項を解釈し、運用する場合においても、この条例に照らして判断しなければならない。

(議会及び議員の責務)

第十七条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、もつて町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。

(見直し手続)

第十八条 議会は、一般選挙を経た任期開始後、できるだけ速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するものとする。

2 議会は、前項による検討の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講じるものとする。

3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であつても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。

この条例は、平成二十四年四月一日から施行する。

八郎潟町議会基本条例

平成24年3月21日 条例第7号

(平成24年4月1日施行)