○八郎潟町情報公開条例
平成三十年九月十九日
条例第十四号
(目的)
第一条 この条例は、地方自治の本旨にのつとり、公文書の公開を請求する権利を明らかにし、公文書の公開及び行政情報の提供等に関し必要な事項を定めることにより、町政に関する説明責任を全うするとともに、町民の町政参加の推進及び町政に対する理解と信頼を深めることを目的とする。
一 実施機関 町長(公営企業管理者の権限を行う町長を含む。)、議会、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
二 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)であつて、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数のものに販売することを目的として発行されるものを除く。
(実施機関の責務)
第三条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たつては、町民等の公文書の公開を請求する権利を十分尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることがないよう、最大限の配慮をしなければならない。
(公開請求の手続)
第五条 何人も実施機関に対し、当該実施機関の保有する行政文書の公開の請求(以下「公開請求」という。)をすることができる。
2 前項の規定による公開請求は、別に定める書面(以下「公開請求書」という。)を実施機関に提出する方法により行わなければならない。
3 実施機関は、公開請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求をしたもの(以下「公開請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の公開義務)
第六条 実施機関は、公開請求があつたときは、公開請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報(以下「非公開情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、公開請求者に対し、当該公文書を公開しなければならない。
一 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であつて、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第五条第一号ハに規定する公務員等をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
二 法人その他の団体(国等(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)第二条第一項に規定する独立行政法人等をいう。)、他の地方公共団体及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)をいう。)を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であつて、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
三 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で個人又は法人等から任意に提供された情報であつて、当該個人又は当該法人等における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの。ただし、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
四 町の機関及び国等の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であつて、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に町民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
五 町の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であつて、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、町又は国等の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、その公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
六 公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報
七 前各号に掲げるもののほか、法令等の規定の定めるところにより公開しないこととされ、若しくは公にすることができないと認められる情報又は法律若しくはこれに基づく政令の規定による明示の指示等により公にすることができないと認められる情報
(町が出資・助成している団体情報)
第七条 町が出資し、又は助成している団体(以下「町の出資・助成団体」という。)の財務その他経営状況を説明する情報等は、地方公共団体の予算執行の適正を期するため、首長の調査権等を定めた地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十一条第三項の規定の趣旨に則り、これを公開できるものとする。
2 前項にいう「町の出資・助成団体」とは、町が資本金、基本金その他これらに準ずるものの二分の一以上を出資している公益法人、株式会社及び有限会社並びに町が年額百万円以上の補助金、助成金、負担金等を交付している団体(一部事務組合を除く。)とする。
3 第一項の情報について公開の請求があつたときは、町長は、その団体に必要な書類等の提出を求めることができる。
4 町の出資・助成団体は、前項の規程により書類等の提出を求められたときは、速やかに、これに応じるよう努めるものとする。
(部分公開)
第八条 実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非公開情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、公開請求者に対し、当該部分を除いた部分につき公開しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
(公文書の存否に関する情報)
第九条 公開請求に対し、当該公開請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非公開情報を公開することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該公開請求を拒否することができる。
(公開請求に対する決定等)
第十条 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開するときは、その旨の決定をし、公開請求者に対し、その旨及び公開の実施に関し町長が定める事項を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部を公開しないとき(前条の規定により公開請求を拒否するとき及び公開請求に係る公文書を保有していないときを含む。以下同じ。)は、公開をしない旨の決定をし、公開請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
3 実施機関は、前二項の規定により公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開しないときは、公開請求者に対し、当該各項に規定する書面によりその理由を示さなければならない。この場合において、当該理由の提示は、公開しないこととする根拠規定及び当該規定を適用する根拠が、当該書面の記載自体から理解され得るものでなければならない。
一 本条を適用する旨及びその理由
二 残りの公文書について公開決定等をする期限
二 第三者の所在が判明しないとき
(公開の実施)
第十四条 公文書の公開は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して町長が定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による公文書の公開にあつては、実施機関は、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき又は第八条の規定により公文書の一部を公開するときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
(他の法令等との調整等)
第十五条 この条例の規定は、法律の規定により、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定を適用しないこととされている書類等については、適用しない。
2 この条例の規定は、他の法令等の規定により、公文書の閲覧若しくは縦覧又は公文書の謄本、抄本その他の写しの交付(以下「公文書の閲覧等」という。)を受けることができるときは、適用しない。ただし、公文書の閲覧等を受けることができるものの範囲又は期間若しくは方法等が限られている場合において、当該法令等がその範囲外のものに対する公文書の閲覧等又は異なる期間若しくは方法等による公文書の閲覧等を禁止する趣旨でないと認められるときは、この限りでない。
3 この条例の規定は、図書館その他これらに類する町の施設において、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされている公文書及び一般の利用に供することを目的として管理されている公文書については、適用しない。
(費用の負担)
第十六条 公文書の公開に係る手数料は、無料とする。
2 公文書の写しの交付(電磁的記録にあつては、これに準ずるものとして町長が定める方法を含む。)を受けるものは、八郎潟町手数料条例(平成十二年条例第十九号)に規定する費用を負担しなければならない。
(審査請求)
第十七条 公開決定等又は公開請求に係る不作為について不服があるものは、審査請求をすることができる。
2 公開決定等又は公開請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第九条第一項の規定は、適用しない。
(審査会への諮問)
第十八条 公開決定等又は公開請求に係る不作為について審査請求があつたときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく、八郎潟町情報公開審査会に諮問し、その答申を尊重して当該審査請求についての裁決をしなければならない。
一 審査請求が不適法であり、却下する場合
二 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を公開することとする場合(当該公文書の公開について反対意見書が提出されている場合を除く。)
2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第九条第三項において読み替えて適用する同法第二十九条第二項の弁明書の写しを添えてしなければならない。
(情報公開審査会)
第十九条 前条の規定による諮問に応じて審査するため、八郎潟町情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は三人以内の委員をもつて組織する。
3 審査会の委員は、学識経験のある者のうち町長が任命する。
4 審査会の委員の任期は二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
6 審査会は、審査のため必要があるときは審査請求人、実施機関の職員その他関係者の出席を求め、意見若しくは説明を聴き、又は必要な書類の提出を求めることができる。
7 本項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は町長が別に定める。
(諮問をした旨の通知)
第二十条 第十八条第一項の規定により諮問をした実施機関は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
一 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第十三条第四項に規定する参加人をいう。以下同じ。)
二 公開請求者(当該公開請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
三 当該審査請求に係る公文書の公開について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
一 公開決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
二 審査請求に係る公開決定等(公開請求に係る公文書の全部を公開する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る公文書を公開する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の公開に反対の意思を表示している場合に限る。)
(情報提供の充実)
第二十二条 実施機関は、この条例の目的に鑑み、その保有する情報が適時適切な方法で町民に明らかにされるよう、町民に対する情報の提供に関する施策の充実に努めるものとする。
(公文書の管理)
第二十三条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理しなければならない。
(公開請求をしようとするものに対する情報の提供等)
第二十四条 実施機関は、公開請求をしようとするものが容易かつ的確に公開請求をすることができるよう、当該実施機関が保有する公文書の特定に資する情報の提供その他公開請求をしようとするものの利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。
附則
(施行期日)
この条例は、公布の日から施行する。