○八郎潟町議会議員政治倫理条例
令和元年十月一日
条例第二十四号
(目的)
第一条 この条例は、八郎潟町議会基本条例(平成二十四年八郎潟町条例第七号)の規定に基づき、八郎潟町議会の議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、議員の政治倫理の確立を図り、もつて町民に信頼される公正な町政の発展に寄与することを目的とする。
(議員及び町民の責務)
第二条 議員は、町民の代表者として、自己の職責を自覚し、常に町民全体及び公益の追求を指針として行動するとともに、自ら研さんを積み、その職責にふさわしい人格と倫理の向上及び地方自治の本旨に基づきその使命の達成に努めなければならない。
2 議員は、自己の地位と権限による影響力を不正に行使することによつて、いかなる自己の利益も図つてはならない。
3 議員は、自己の職責に反する言動をしたとの疑惑をもたれた場合は、自らその疑惑を解明し、責任を明らかにするよう努めなければならない。
4 町民は、自らも町政を担い公益を実現する責任を有することを自覚し、自己の利益を図る目的を持つて、議員に対し、その地位と権限による影響力を不正に行使させるような働きかけを行つてはならない。
(政治倫理基準の遵守)
第三条 議員は、次の各号に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
一 町民全体の代表者として、品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしてはならない。
二 議員としての発言又は情報発信は、確たる事実に基づいて行うこととし、虚偽の事項を表示することによつて他人の名誉を毀損する行為をしてはならない。
三 町(町が設立した公社及び町が出資金、資本金その他これに準ずるものの三分の一以上を出資している法人を含む。以下同じ。)が行う許可、認可又は町の工事等の請負契約、業務委託契約及び物品納入契約等に関し、特定の個人又は企業等を推薦し、又は紹介するなどの有利な取り計らいをしてはならない。
四 町職員の公正な職務執行を妨げ、その権威又は地位による影響力を不正に行使するよう働き掛けてはならない。
五 町職員(非常勤職員を含む。)の採用、昇任又は人事異動に関与してはならない。
六 政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けてはならない。
(町との請負契約等に対する遵守事項等)
第四条 議員は、本人又は本人の配偶者、一親等内の血族若しくは同居の親族が実質的に経営に携わつている企業(以下「関係私企業」という。)に対し、町との工事請負契約(実質的に元請負と異ならない下請負を含む。)、業務委託契約及び物品購入契約(以下「請負契約等」という。)の締結については、関係私企業の就職の制限を規定している地方自治法第九十二条の二の趣旨に従い、町民に疑惑の念を生じさせないため、これを辞退しなければならない。ただし、災害等で緊急を要し、町の行政執行に著しい支障がある場合を除く。
2 前項の規定は、指定管理者の指定について準用する。
一 同居 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)に基づく届け出が同一世帯となつていることをいう。
二 企業 一定の経済的事業の遂行の目的を持つて、人及び物を有機的に組み合わせた経営主体(その経営主体が個人であるか法人であるかを問わない。)をいう。
三 実質的に経営に携わつている企業
ア 役員をしている企業
イ 資本金その他これに準ずるものの三分の一以上を出資している企業
ウ 経営方針に関与している企業
(就業の報告義務)
第五条 議員は、議員となつた時に、次の各号のいずれかに該当する法人その他の団体(以下「法人等」という。)の取締役、理事、監査役、顧問若しくはこれらに準ずる職についているときは、就業報告書(以下「報告書」という。)を三十日以内に議長に提出しなければならない。これらに変更があつた場合(新たに営む場合、兼ねる場合も含む。)も同様とする。
一 主として収益等事業を営む法人等
二 町の許認可が必要な事業を営む法人等
三 町からの補助金等を受け、又は受けようとする法人等
2 議長は、報告書については、四年間これを保存するものとする。
3 報告書は、議員の職にある間、町民の閲覧に供する。
(審査会の設置)
第七条 議長は、前条の規定による審査の請求を受けたときは、八郎潟町議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置するとともに、議員に報告し、審査請求書及び添付資料を審査会に提出して審査を求めなければならない。
2 審査会は、委員五人をもつて組織する。
3 審査会の委員は、議員のうちから議長が指名する。ただし、審査請求を行つた議員又は審査の対象となつた議員(以下「審査対象議員」という。)は、委員となることができない。
4 審査会に委員長及び副委員長一人を置き、委員の互選によりこれを選任する。
5 委員長は、会務を総理し、審査会を代表する。
6 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるとき又は委員長が欠けたときは、その職務を代理する。
7 審査会は、委員の半数以上の出席がなければ、会議を開くことができない。
8 審査会の委員の任期は、前条の審査の請求にかかる審査結果を議長に報告したときまでとする。ただし、議員の職を失つたときは、その任期を終了するものとし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(審査)
第八条 審査会の委員長は、前条第一項の規定により議長から審査を求められたときは、速やかに審査会を招集するものとする。審査会は、議長から審査を付託されたときから原則九十日以内に文書で議長に審査結果を報告しなければならない。
2 審査会は、審査請求の適否及び政治倫理基準違反の行為の存否について審査する。
3 審査会は、審査対象議員の出席を求め、又は文書を提出することにより弁明の機会を与えなければならない。
4 審査対象議員は、審査会から審査に必要な資料の提出又は出席の要求があつた場合は、それに従わなければならない。
5 審査会は、審査請求代表者、その他関係者から事情を聴取し、審査に必要な書類等の提出を求め、参考人として出席させ、意見を聴くことができる。
6 審査会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
7 審査会は、原則公開とする。ただし、出席委員の三分の二以上の合意により非公開とすることができる。
8 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
9 議長は、審査会から審査結果の報告を受けたときは、請求者及び当該議員に文書で通知するとともに、その概要を速やかに公表しなければならない。
(弁明書)
第九条 当該議員は、審査結果について議長に対し弁明書を提出することができる。
(議長の措置)
第十条 議長は、審査会の報告を尊重し、政治倫理基準に違反したと認められるときは、当該議員に対して、議会の権威及び品位を守り、町民の信頼を回復するため、議員に諮り次に掲げる措置を講ずることができる。
一 注意
二 陳謝の勧告
三 一定期間の出席自粛の勧告
四 議員の辞職の勧告
五 前各号に掲げるもののほか、議長が必要と認める措置
2 議長は、前項の措置を講じたときは、審査請求代表者及び審査対象議員に対して審査の結果を通知するとともに、その概要を速やかに公表しなければならない。
(委任)
第十一条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和元年十月一日から施行する。
(経過措置)
2 第四条第一項の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に締結される請負契約等から適用する。